こんな時、ご連絡ください
下記は夜間動物病院で診察することが多かった症状・事象です。
「様子を見ていても大丈夫かな」と思っていると命の危機に直面する可能性があります。
様子を見る前に必ず病院にご連絡ください。
お電話だけの相談でも大丈夫です。
- 異物誤飲
- 体温上昇
- 大量のよだれ
- けいれん
- 呼吸が荒い
- 事故
夜間救急について
状況をお伺いし、対応が可能であれば当院にて診察いたします。
当院にて診察が困難な場合は、連携病院をご紹介いたしますのでまずはご相談ください。
救命救急で特に多いご相談
誤食・誤飲
救急外来の中で、問い合わせが最も多いのが「異物の誤飲」です。
「少し目を離した隙に何かをくわえていて、取り上げようとしたらそのまま飲み込んでしまった」という経験のある方、多いのではないでしょうか。
万が一誤飲してしまったら、まずはすぐに動物病院へご相談ください。
誤飲直後であれば吐かせる処置や内視鏡で摘出できるかもしれませんが、2時間以上経過してしまうと胃から流れてしまい摘出が困難になります。
吐かせる方法について、様々な方法がネット上に紹介されていますが、方法によっては危険な場合があります。当院では、誤飲の種類、経過時間、動物の状態によって、内視鏡や催吐処置、薬による排泄促進など)をご提示し、最適な治療法を選択します。
相談をいただくケースの多い異物は下記の通りです。
おもちゃ、ボール、靴下
犬の誤飲の代表例がおもちゃ関連。ご家族のにおいのついている靴下も飲み込んでしまいがちです。
タマネギ
赤血球を壊してしまうこと(=溶血)による貧血を起こします。加熱してあっても危険です。
数日経過してから血尿や貧血の症状が認められる場合もあります。
チョコレート
不整脈や痙攣、発作などを起こします。ビターチョコでは少量の摂取でも危険なことがあります。
キシリトール
キシリトール入りのガムの誤飲で、低血糖や肝障害を引き起こします。
チキンや魚の骨
のどに刺さる場合や消化管を傷つける可能性があります。
骨が鋭利な場合などは催吐処置の危険性が高いため、粘膜保護の処置などで経過を見る場合もあります。
風邪薬・鎮痛剤
イブプロフェン、アセトアミノフェンは、犬猫にとっては猛毒です。
重度な腎障害・肝障害を引き起こす危険性もあります。
絶対に与えないでください。
ユリ
特に猫で腎不全を引き起こします。花粉や花びら、葉など全部位に毒性があり、花瓶の水も危険です。
ひも、糸
自宅で裁縫をされる方は特に注意。針付きの糸の誤飲もよく見かけます。
糸やひもは一部が舌の根元に引っかかりそのまま腸管までつながり、腸管が引きつられることで、腸管の壊死を引き起こしてしまう危険性があります。細くて小さいから大丈夫という油断は禁物です
帝王切開
出産は、母体と子供にとって命がけの瞬間です。
特に難産が予測される場合や、緊急時に対応するため、帝王切開が必要になることがあります。
犬は一般的に安産な動物とされていますが、現代の生活様式や繁殖の影響で、難産のリスクが高まっている犬種も増えています。
犬の妊娠期間は58日から65日(通常63日前後)、猫もほぼ同じく63日前後(63日~65日)です。
犬における難産の発生率は約3~5%とされていますが、事前にレントゲンや超音波検査を行うことで、リスクの予測が可能です。
これにより、帝王切開が必要な場合に迅速に対応する準備が整います。
難産の要因としては、下記の要因があげられます。
母体側の原因
- 骨盤が狭い(産道が狭い)
- 陣痛が微弱
- ホルモンの異常
- 高齢出産
- 過去に帝王切開歴/難産歴がある
胎児側の原因
- 胎児の向きが不適切
- 過大胎児(胎児が大きい)
- 胎子数が少ない時に起こりやすい過大胎児
- 死亡胎児がいる
肺水腫
肺水腫は、肺胞に水分が溜まり、酸素の取り込みが阻害される病態です。
主に呼吸困難が現れ、犬は仰向けになることを避け、座った姿勢を好みます。
原因の多くは僧帽弁閉鎖不全症などの心臓疾患で、心機能の低下によって血流が滞り、肺に液体が漏れ出します。
他にも肺炎や熱中症、過剰な点滴などが原因となる場合があります。
肺水腫は心臓疾患による心原性と、肺炎など心臓以外が原因の非心原性に分かれます。
治療には、肺に溜まった水分を利尿剤で排出し、原因となる基礎疾患の治療も並行して行います。
呼吸が速くなったり、呼吸困難が見られた場合は、すぐに病院にご連絡ください。
当院では、ICU設備を整えており、酸素や温度の管理が可能な環境で、迅速に対応いたします。
角膜外傷
角膜は目の表面を保護する薄い透明な膜で、外傷や感染により損傷を受けると「角膜潰瘍」が発生します。
角膜潰瘍はその深さによって軽度から重度までさまざまですが、軽度の場合は点眼治療で回復することもあります。
しかし、深い潰瘍では角膜に穴が開くことがあり、緊急手術が必要なケースもあります。
角膜外傷や角膜潰瘍は、強い痛みを伴い、進行すると視力障害や失明のリスクもあるため、早急な治療が重要です。
特に外傷や感染が疑われる場合は、早めに動物病院で診察を受けることをお勧めします。
以下の症状が見られる場合は、角膜の障害が疑われるため、早めにご相談ください。
・目をしょぼつかせたり、頻繁に目をこする
・涙が多く出る、または目やにが増える
・目が赤く充血している
・目を痛がる様子が見られる(目を開けない、目の周りを触られるのを嫌がる)
腹腔内出血によるショック
腹腔内は、肝臓や脾臓、腸などの臓器が収まっている空間を指し、ここで出血が起こる状態を腹腔内出血と呼びます。
特に脾臓や肝臓に発生する血管肉腫は、血管が豊富で脆弱なため、前触れなく大量出血を引き起こすことがあります。
出血が始まると、循環血液量が急激に減少し、ショック状態に陥ることが多く、治療が間に合わなければ死に至る可能性がある非常に恐ろしい病気です。
血管肉腫の好発犬種として、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、フラットコーテッド・レトリバーが挙げられます。
これらの犬種は血管肉腫のリスクが高く、注意が必要です。
腹腔内出血の主な症状としては、突然のふらつき、虚脱、四肢が冷たくなる、呼吸が苦しくなる、そして舌や歯茎の色が白っぽくなるなどが挙げられます。
これらの症状が現れた場合、早急に動物病院を受診することが重要です。
診断には腹部の超音波検査や血液検査を行い、腫瘍の有無や出血の原因を特定します。
輸血や点滴などでショック症状に対する治療を実施しながら、緊急手術で腫瘍を摘出し、出血を止める処置を行います。摘出した腫瘍は病理組織学的検査を依頼し、確定診断を行います。
この病態についてあらかじめ理解し、早期に対応することが、犬の命を救うために非常に重要です。
胃拡張胃捻転症候群(GVS)
胃拡張胃捻転症候群は、胃が膨らんでねじれることで発生する緊急性の高い病気です。
特に胸が深い大型犬に多く見られますが、小型犬でも発症することがあり、ミニチュアダックスフンドでの例もあります。
胃がねじれることで胃や周囲の血流が遮断され、数時間以内に治療をしないと命に関わることがあります。
典型的な症状として、突然お腹が膨らみ、立てなくなる、四肢が冷たくなる、呼吸が苦しくなる、そして「空嘔吐=吐物が出ないのに吐きそうな仕草」が見られます。
このような症状が認められる場合、胃拡張や胃捻転の可能性が高く、特に危険なサインです。迅速な対応が必要です。
治療では、胃の空気を抜き減圧を行い、捻転を解除します。
並行してショック症状に対する治療も実施し、状態が安定した後に手術を行います。
一般的な手術では、捻転した胃を元の位置に戻し、再発防止のために腹壁に固定します。
予防のためには、食事を分けて与え、食後の激しい運動を避けることが大切です。
お持ちいただくもの
- 現在服用されているお薬
- 便、尿、吐しゃ物など、診療の参考となるもの
- 現金またはクレジットカード
- 血液検査などの検査結果(直近のもの)
- 竹串や針などの異物を飲み込んだ場合、その異物と同じ物
診察の流れ
来院のご予約
診察をご希望の患者様はご自宅を出られる前に必ずお電話をお願い致します。
※混雑の程度によりすぐの診療をお受けできない場合がございます。
*ご来院前に必ずお電話下さい。
あわてず、落ち着いてお話し下さい。
その子の情報や症状などについて、いくつかご質問をさせていただきます。
- 動物の種類、品種、年齢など
- 症状について(いつから、どんな様子か)
- かかりつけの病院
- お名前、ご住所
- 当院までの所要時間
-
Step01
来院後、問診票の記入・カルテ作成
動物の重症度によってはカルテの作成と同時に治療・処置を開始させていただく場合がございます。
また、診察の順番が前後する事がございますので、予めご了承ください。 -
Step02
診察・治療方針の決定
必要と考えられる検査・治療を行います。
治療方針に関しご不明な点がございましたら、遠慮なくお申し付けください。 -
Step03
お支払い
処置・治療終了後にお会計となります。
入院が必要な場合は退院時のご清算となります。